海の星幼稚園には自慢の松林があります。教会の敷地ですが、自由に使わせていただいています。この松林で、天気のよい日にシートを敷いて、みんなで楽しくお弁当をいただくことがあります。暖かな光が降り注ぎ、快い風が吹き抜けます。太陽の光でキラキラ輝く海を見ながらのお弁当は、さらにおいしく感じます。
昼食後は自由遊びの時間です。芝の坂道を上ったり下りたりしながら、鬼ごっこをしている子どもたちがいます。こちらには、しゃがんで小さな花を摘んでいる子どもたちがいます。あちらの草むらでは、虫取り網とかごを持った子どもたちが、盛んに何かを探しています。バッタでもいるのでしょうか。
わたしは、この時間が大好きです。このような子どもたちの姿を見ていると、「天国って、こんな感じではないのかなあ。」という思いが浮かんできます。
みんな笑顔でお友だちと、好きなことをして遊んでいるからです。だれも、悲しい思いやつらい思いをしていないからです。
今を楽しんでいます。しかも、一生懸命です。一人ひとりが輝いています。
このように笑顔になる、ワクワクする体験がたくさんあるのが、海の星幼稚園です。
もちろん、いやだなあ、悲しいなあ、と思うこともあるでしょう。
けれども、いやなことを乗り越えてこそ、心はたくましくなります。悲しい経験をしてこそ、お友だちの悲しさがわかるようになります。
わたしたちは、子どもたちにとって、生活で経験するすべてのことが、学びだと考えています。
小さな「たね」が、水と空気と適した温度によって芽を出し、光を浴びですくすく成長するように、「一人ひとりがかけがえのない命である」というキリスト教の理念に基づき、学びの環境を整え、一人ひとりの違いを認め、自分への自信とお友だちへの仲間意識をもって歩んでいけるよう、全力を尽くします。
園長 澤野 誠